私たちの住む地球には海や川、森林や沼地など多種多様なタイプの、野生の生き物が生活する空間≪ビオトープ≫があります。
それらのビオトープに根付く自然の仕組み(自然体系)がネットワークすることにより、地球上の生き物の輪廻が可能となっています。ビオトープには、実に様々なものがあります。海のような広大なものもあれば、路肩の水溜りにも生命は輪廻します。
ミジンコなどの微生物や藻類の発生にともない、それらを捕食し発生する酸素を必要とする生物が出現(他のビオトープから移動)。水辺にはクモや昆虫が集まり、それを求めてカエルが住み着きます。季節になればアメンボウやトンボが飛来し・・・というように、様々な生物が自然環境の微妙なバランスの中で輪廻しています。
しかし、人間の社会活動によって自然環境は破壊され、辺りには見せかけだけの人工の自然もどきが造成され、水槽内の環境はエアレーション、サーモ、濾過材などで管理し、エサさえも外来生物を与え飼育するなど、本当の意味での自然の輪廻を体験する機会が少なくなってきました。
ビオトープは、ストレス社会に暮らす現代人に、本当の自然の美しさと輪廻の尊さを教え、いいようの無い癒しの世界に包みこみ、自然環境への配慮の心を芽生えさせてくれます。
人間中心、特に大人にとって都合の良いまちづくりが破綻していることにいち早く気付き反省と対応をしてきた欧米の環境先進国では、「自然との共生」が地域づくりの最優先課題として位置づけられており、多くのビオトープ事業が展開されています。
日本でも、環境庁(現 環境省)は「平成11年度版 環境白書総説」の中で、20世紀の環境に対する取り組みを振り返り、環境保護への対策として21世紀は「生物多様性という概念で自然環境を保全していく」としています。日本も批准している「生物多様性に関する条約」では、生物多様性は地球全体のいのちを支える大切なものであり、それを損なう原因は取り除かなければならないことが歌われています。
自然は常に変化しながらもある状態を保っているダイナミックなものであると考えられており、このダイナミックな自然を守っていくためには、特別な種類や場所だけを囲むように守る今までの自然保護の方法だけではなく、自然とのつながりをまるごと守る「ビオトープ」のような考え方が必要といえます。(この文章は、日本ビオトープ管理士会HPを参考としています)
A&Fでは、日本ビオトープ管理士会及び、日本生態系協会などの考え方を参考として、公共施設、学校、観光施設などへの、ビオトープの設計、施工、保守までを総合的にプロデュースいたします。ぜひ、未来永劫に継続可能な地域デザイン、まちづくりをお考えの行政担当者、地方自治体関係者、学校教育関係者、観光事業者など皆様からの、ご質問、企画提案依頼、新規事業コンソーシアムのご相談など、お気軽に連絡くださいませ。