大山フィールドステーションで自然ガイドの河井良寛さんと待ち合わせして、予約しておいた牛蟹(うしかに)弁当を受取り、ツアーの始まりです。
まずは、桝水高原から大山の頂上を見上げながら、大山の噴火の歴史や地質について説明を受けました。
次に、「絶唱」の石碑を見学します。
「絶唱」は伯耆町出身の作家大江賢次の代表作で、映画化もされており、小林旭・浅岡ルリ子や三浦友和・山口百恵などが主演したことで有名です。
絶唱の石碑のすぐ近くにある、桝水高原の名前の由来となった桝水のお地蔵様を拝み、かわいいヤギの写真を撮って、天空リフトで展望台へ上がります。
天空リフトの座席は地面から低い位置で移動するため、薄紫色をしたかわいいマツムシソウがたくさん咲き、蝶やハチなどが花の蜜を吸っているのも間近に見えました。
他にもワレモコウやアキノキリンソウなどの秋らしい花も咲いていました。
当日は天候に恵まれ、リフトを下りると眼下には弓ヶ浜半島から日本海まで一望できる大パノラマが広がっており、隠岐の島も肉眼ではっきりと見ることができました。
桝水高原はその景色の良さと解放感から恋人の聖地に選ばれています。
リフトの乗降口のすぐそばには、恋おみくじがあり、恋愛運を試すことができます。展望台には恋人の聖地のモニュメントがあり、その上には永遠の愛を誓ったカップルたちが恋人の鍵を記念にかけていました。
結婚が決まったカップルがこの鍵を外しにまた来るそうです。
展望台から階段を上がって、横手道に入り、自然ガイドの河井さんの解説を聞きながら歩きます。
今から30年ほど前には、桝水高原の横手道上に大山正面登山道があり、多くの登山客でにぎわっていたそうです。また、戦後の燃料難の時代には、横手道の周りのブナ林の一部が切られて、薪になり、代わりにひのきや杉が植林されたとのことでした。
大山横手道はかつて大山牛馬市の会場への移動経路として利用されており、蒜山から大山西麓の標高800m付近をほぼ水平に南北に進んで大山寺の境内へ続く古道です。一町(約109m)ごとに置かれた、一町地蔵はコース中に10体前後現存しています。お地蔵様は明治時代の神仏分離により、破壊されたものもあるとのことでした。
横手道には、ミズナラの実や、芝栗もたくさん落ちていました。
サルナシの実も落ちており、味見してみましたが、キウイフルーツのような味で、甘酸っぱく、とてもおいしかったです。
大山は美しいブナ林で有名ですが、そのブナの実も拾いました。小さな実ですが、河井さんから、「ブナの実は木の実の中でもかなりおいしく、動物たちも大好物。そのままでも食べられる。」と聞き、早速殻を剥いて食べてみました。牛乳のような味と表現されることもあるようですが、クルミのような味でとてもおいしかったです。
他にも植物や大山寺の歴史についての話を聞きながら歩きました。
最後に賽の河原に行き、そこで牛蟹弁当を食べました。
地元伯耆町産の和牛を使った焼肉丼と境港のベニズワイガニを使ったカニずしが同時に食べられる贅沢な弁当です。付け合せの大きなラッキョウもお米も県内産で、地元の食材がふんだんに取り入れられています。男性でも満足できるボリュームで、全員おなか一杯になりました。
帰りはタクシーで桝水高原まで戻り、桝水フィールドステーションでソフトクリームを食べました。
濃厚なミルクの甘さが疲れた体に染みわたりました。
紅葉シーズンには少し早かったですが、晴天の空の下、色づきはじめた木々の葉を見ながら、大山の初秋を満喫しました。
桝水フィールドステーション | |
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電話 | 0859-52-2420 |
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