[神]のプロローグ

母塚山  

日本神話と呼ばれる伝承のほとんどは、「古事記」「日本書記」そして地方の「風土記」に見られる記述をもとにしています。一見とっつきにくく見える神話ですが、一度読み始めると個性豊かな神様が縦横無尽に動きまわるストーリー展開に心奪われてしまいます。山陰は、日本神話に深いゆかりのある地域です。古事記に描かれる神のうち、山陰に関係あるものは、実に3分の1以上を占めると言われます。イザナミが眠るといわれる母塚山、ヤマタノオロチ伝説の残る船通山、一度死んだオオクニヌシが生き返ったという伝説の残る赤猪岩神社など、神話ゆかりの地が数多く存在します。

 神話の楽しみ方には2通りあります。
「完全なフィクションとしてストーリーを楽しむ」のがひとつ。
もうひとつは「“神話は実際に起きた出来事をなぞらえたものである”という前提をもとにして、歴史を検証してみる」ことです。

 例えば、「古事記」「日本書記」では出雲に大きな文明国があったことが描かれていますが、実際に島根県加茂岩倉遺跡では全国最多である39個の銅鐸、荒神谷(こうじんだに)遺跡では358本の銅剣が発見されています。荒神谷遺跡の358本は、なんとそれまでに日本全土で発見された銅剣を全部あわせた総数よりも多く、当地方に巨大な王朝が存在したことを裏付ける考古学的大発見と言われています。つまり、神話は何の根拠もないフィクションではなく、そこには何か元になる出来事があったと考えることが出来るのです。

  「8つの頭と8つの尾を持ち、背中に苔や杉の木が生えている大蛇ヤマタノオロチは何を表しているのか?」「アマテラスの岩隠れは日食を模したものではないか?」「小人の神様スクナヒコナは、大陸からやってきた韓国人のことではないか?」などなど様々な推測が可能になります。神話は、あなたの解釈次第で、フィクションにもノンフィクションにもなりうる非常に興味深い読み物なのです!

 神話に登場する人物は必ずしも「人間」ではありません。文明の利器が今日と比べると全くと言ってよいほど無かった古代の人々にとって、山や海、太陽や月といった自然は大きな恵みを与えてくれる「恵みの神」であるとともに気まぐれで厳しい「荒ぶる神」でもありました。山の神オオヤマツミ、太陽の神アマテラス、月の神ツクヨミ…。古代の人々は、自然を神話の中で擬人化したと考えることが出来ます。

 当地方に大きくそびえたつ大山も、もちろん人々の信仰の対象でした。大山は古く「火神岳(ほのかみだけ)」「大神岳(おおかみのたけ)」と呼ばれていました。大山の現存する最も古い記述は、奈良時代に書かれた「出雲風土記」の国引き神話にまでさかのぼります。奈良時代以降は、霊山として隆盛を誇りました。大山寺周辺には、国の重要文化財である大神山神社、大山寺阿弥陀堂をはじめとする風格漂う社寺仏閣が多数点在しています。

 2012年は、古事記が編纂されてちょうど1300年目。これを機に神話に触れてみてはいかがでしょう?神話と歴史を紐解きながら辺りを見渡すと、見慣れた風景もいつもとちょっと違ってみえるかもしれませんね。

<関連スポット>

母塚山(はつかさん)

イザナミ御陵のある山で比婆山とも呼ばれている母塚山。かつては、イザナミを祭った神社が山頂にあったそう。母塚山から見る大山は絶景!
(※写真は、母塚山から見た大山)


赤猪岩神社(あかいいわじんじゃ)

兄たちの策略によって、上から落ちてくる赤く焼けた岩を猪と思い込み、命を落としてしまったオオクニヌシ。女神たちの力を借りて、オオクニヌシが再生した地として知られる神社。

赤猪岩神社
http://www.akaiiwa-jinja.net/


粟島神社(あわしまじんじゃ)

神話に出てくる小人の神様スクナヒコナは、オオクニヌシと国づくりに尽力。 国づくりがひと段落すると、粟の茎に跳ね飛ばされるように、常世の国に帰っていったとされ、そこから神社の名前がついたと考えられています。土地の名前も彦名(ひこな)ですので、スクナヒコナと関係が深い土地だと考えられます。この神社は、人魚伝説でも知られており、人魚の肉を食べ不老不死になった18歳の女の子が逃げ込んだと伝えられる粟島洞窟もあります。


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