「恩返し」 11月5日

11月3日に開催された「とっとりバーガーミニフェスタ@奥大山」。
このイベントには、単なる販売ではない“地域への思い”がしっかりと詰まっていました。

無事終了した「とっとりバーガーフェスタvol.3」から1ヶ月。
何とか盛況のもと日本一のご当地バーガーを決定、終えることができましたが、実行委員会のなかにまだ消化不良の思いがずっと・・・。
それが、9月の台風被害により会場として多くのお客様を迎える予定であった奥大山会場のことであり、会場不使用となった先、他町開催となったにも関わらず、江府町のみなさまは、町長以下、台風前と変わらない支援を継続いただいたこと。
何か恩返しができないか。
「江府町でバーガーを」の記録を残せないか。
数週間、このことをずっと実行委員会として考え続けてきました。

あの台風被害を乗り越えて・・・

通行止めとなっていた大山パークウェイの一部(御机〜奥大山間)が、10月20日に復旧。全線が開通したことで、大山の観光シーズンのピークともいうべき紅葉に間に合うことができたことは何よりの朗報でした。

奥大山でバーガーフェスタを

ならば、紅葉を楽しみに来たお客様にミニフェスタとしてバーガーを販売し、紅葉に彩られた大山に少しでも長く滞在いただけないか、と町に提案したところ、共催という形でこのようなバーガーフェスタが実現の運びとなったわけです。

バーガーで“つながる”交流の輪

最初、県内の出展者の数店が名乗りをあげ、お祭り的な感じで販売いただき、楽しむことを前提としたカジュアルなフェスタを考えていました。
その上で、今回のフェスタの件を出展者に投げかけたところ、
「ぜひお世話になった鳥取県のために駆け付けたい」 (別海ジャンボホタテバーガー)
「大山の紅葉も観てみたいし。お礼も兼ねて大山に行きます」 (京都九条ネギバーガー)
「当初、販売するはずだった江府町でぜひ販売してみたい」 (名古屋味噌カツバーガー)
「フェスタの取り組みに賛同する。少しでも江府町の応援になるなら」 (佐世保バーガー ベーコンエッグバーガー)
「他県に負けるわけにいかん。私たちもガンバーガー」 (琴浦あごかつカレーバーガー)
といった感じで、県外の出店者が相次いで参加に名乗り。

このフェスタを通じた交流の輪が、「鳥取県の応援のため」、「江府町の支援のため」となり、多くの出店者との心を生んだ結果、このような全国からの参加表明につながったことは我々にとって驚きと同時に、涙が出るほどにうれしい出来事でもありました。

イベント当日、天候にも恵まれ7000人の方が来場。結果は3時間ですべてのお店が完売。
何よりうれしかったのは紅に染まる奥大山の最高のロケーションのなかで多くの来場者の方が芝生に座りバーガーを頬張っていたこと。大山の自然が最高のスパイスとなり、きっと多くの方が満足されて帰ったのではないでしょうか。

民間の実行委員会メンバーだけでなく、行政の職員も、そして出展者も、サポーターも、この事業の趣旨を体を張って参加してくれた面々の意識が徐々に変わり、業務ではなく、自らが参加する喜びとして心から楽しんでいる姿。それにより絆が生まれ、日本全土に広がりをみせつつあることは実行委員会にとって一番のモチベーションでもありました。
そしてこんな機会を設けてくれた江府町に少しは恩返しができたのかなぁと個人的には思っています。

あと、すいません。
私ごとで恐縮ですが、ここでひと言そえさせていただければ・・・。
実はこの春、母が他界しました。
生前、普段私の仕事などに興味を持たなかった母が、このバーガーフェスタだけは違い、いつも気にかけ、楽しそうに私の話を聞いていました。
それだけ私が楽しげに、そして誇らしげにこのフェスタの話をしていたからでしょうが、渡した数枚のポスターを持ち、車いすを引き、近所のお米屋さんや自転車屋、スーパーなどに自分でPRに出かけていたそうです。
その上で、「いい仲間に巡り会えたなぁ。でもお前はすぐに調子に乗るから。周囲の人たちに感謝の気持ちだけは忘れたらあかんで」と。いつもそう注意されていたことをついこの前のことのように思い出します。
そんな母が亡くなって半年。とはいっても実感はまだありません。
母が亡くなった後も、私自身その現実を受け入れることを拒むかのように仕事に集中し、フェスタの運営にがむしゃらに取り組んできたからです。
その母の誕生日がフェスタの翌日となる10月10日。あえてそうしたワケでもありませんが、これも何かの運命なのかなぁ、と。受け入れないといけないのかぁ、と。

先日やっと墓前にも報告することができました。
これまで散々親不孝ばかりしてきましたが、ほんのほんの少しだけ恩返しができたのかな、そう自分なりに満足もしています。
そうした機会をくれた関係者のみなさま、そして改めて前向きに、ひたむきに、一日一日を懸命に生きる楽しさを教えてくれた鳥取県に心から感謝。大好きだった母が心から喜んでくれた“仲間”をこれからも大切に、人の交流を通じた地域おこしに携わっていければと考えています。

また、こんな半人前の私が好き勝手に行動し、後先考えず突っ走ってこれたのは、私が所属するJAPROの代表・幸形、そしてNPO大山王国の理事長でもある石村、二人の尊敬する上司のおかげであり、これまでの教えのたまもの。まだまだ自己満足かもしれませんが、二人に追いつこうと懸命に走ってきた結果を少しでも示せたことで、大山の地域活性に十数年取組続ける二人にちょっとだけ恩返しができたのかぁと。
到底追いつくことなどできませんが(笑)、二人に学んだ地域愛を胸にこれからも頑張ってまいります。

私ごとであり、みなさまに関係のないことでもあるので、書こうか書くまいか悩みましたが、今年一年いろんなことが起こり、その都度多くの方に支えられてきたことを想い、その感謝の意味も込めて綴らせていただきましたこと、ご容赦いただければ幸いです。

やっとこれで・・・。
今年のとっとりバーガーフェスタもフィナーレを迎えることができました。
とはいってもとっとりバーガーフェスタはこの先も続きます。
地元に愛される事業であるように。活動であるように。

また来年。すでに開催に向けての準備は始まっており、今度はどんな形でみなさんにお会いできるのか今から本当に楽しみです。
その時まで・・・、ちょっとだけ休息。
しばし普通のサラリーマンに戻ります(笑)

とはいっても、
引き続き、ガンバーガー。

とっとりバーガーフェスタ実行委員会 スタッフ一同
代表 柄木孝志(カラキタカシ)


Ads by Google