午前7時。
今年も
「全日本トライスロン 皆生大会」がスタート。
皆生の浜を約800人のアスリートたちが勢いよく海に向かって走りだしていきます。
ただ、スイム、バイクまではよかったものの、ランの頃になると雲行きが一変。大粒の雨と強風が選手たちの体力を奪っていくと思った矢先に発令された大雨洪水警報。選手の安全第一と考えた結果、大会本部が下した判断「競技続行中止」という残念なものでした。
これまでに競技場にたどりついた選手にとっては歓喜のゴールでしょう。
しかし、その途中、ゴールだけを目標に頑張ってきた選手にとっては非常にやりきれない思い、悔しさがあったに違いありません。
ただ、それは「中止」の判断を下した大会本部も同じ。
これまでの準備、調整といった努力を見てきた者にとっては、きっと選手と全く同じ無念さを感じていることは容易に想像できます。
ぜひアスリートのみなさん、そして選手を支えた家族、友人のみなさんは、そうした運営側の苦労、努力も理解してほしいと心から思っています。
印象的だったのは、中止が宣告された後も競技をやめず時間の止まったゴールを目指すアスリートが絶えなかったこと。
大雨のなか、ひらすらそうしたシーンが繰り返されていきます。
自分なりのゴール。
頑張ってきた一年の区切りとして、この場所に戻ってくることは、アスリートにとって非常に意味があることだったのでしょうね。
胸が熱くなると同時に、選手の心中を察すると少しだけ心苦しくなりました。
競技を追いかけ、途中様々なシーンを見てきた私が一番に感じたこと。
それは多くのボランティアによって支えられているという現実。
これは地域力の高さでもあり、地域のつながりの深さを証明するようにも。
そして
「がんばってください。ファイトです」(ボランティアスタッフ)
「ありがとう」(選手)
こうした小さなコミュニケーションが、選手の大きなパワーになっていること。
「多くの声援に支えられた」と優勝された藤原さんも言っていました。
長い道のり、選手は孤独を感じることもしばしば。
そんな時、沿道から聞こえる大きな声援、そしてエードステーションでかけられる激励のメッセージ、そして届けられる笑顔。
実はこうしたことって、選手にとって前に進む意味でのとっても大きなパワーに。
きっと選手たちにもこの地域の力、マンパワーはしっかりと伝わっていると私自身は実感しています。
選手のみなさん、おつかれさまでした。
関係者のみなさん、おつかれさまでした。
来年は30回の記念大会。
どんなドラマが待っているやら、今からホントに楽しみです。