2009 大山・山陰絵日記 「一杯のカニ汁」 1月2日

海の男が作る真のカニ汁。
この一杯には、境港の魚を支える多くの人々の思いが詰まっています。

場所は、境港・水木しげるロードのアーケード下、水木しげる記念館の前にある「漁徳水産」の直売所。
生のカニを使い、カニを知り尽くす男達が素材のうまみを最大限に引き出した調理法にて提供するこのカニ汁を、なんと無料で大盤振る舞い。
そんなこともあり、お店の前にはカニの香りに誘われ多くの人が集まり、アツアツのカニ汁にホッと一息、身も心も満たされていました。

実はこのカニ汁の無料サービス。
市などのイベントの一貫で行われた訳ではありません。
すべて「漁徳水産」の社長が、「多くの人に本当のカニの味を知って欲しい」というサービス精神、そして「境港の魚はウマイ」という地元漁師の誇りから自腹を切って行っているもの。

そんな思いを知るからこそ、水産庁の役人でもあるウエカツさんや地元の飲食店のオーナー、漁徳水産の船主さんなどが正月返上で助っ人に訪れ、一緒になって汗を流し、おいしいカニ汁を提供してくれています。

この人達は、境港のベニガニの真のおいしさを様々な形で実証してくれました。
その可能性を、言葉だけではなく、目に見える素材として、料理として示してくれました。

一杯のカニ汁に詰まった、地元の海の男たちの絆と誇り。
うまいわけです。


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