[レポート] 大山王国特別企画 
「第二回 大山ブナの樹林に遊ぶスノーシューツアー」 2月21日

リベンジを誓った2回目
山の神様は、私たちに最高のサプライズを


1月31日に行われた1回目のスノーシューツアーでは、生憎の強風によりリフトが停止。本来のコースでもある宝珠山から元谷にかけてのルートを歩くことができず、主催者である私たち自身、ある意味申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

それから約20日。
先週一週間、大雨や黄砂の影響でスキー場の営業さえままならない状況のなか、金曜日に待望の積雪。
パウダースノーという絶好のコンディションの中、今回の2度目が行われたのです。

当日は、前回よりも多い27名が参加。
もともと定員は20名でしたが、前回本来のコースを歩けなかった方に限り、再申し込み可能という対応策を用意したため、前回参加された方の中からも多数が再チェレンジ。

よってガイドも2名に増員し、前回の奥様に、これまた大山を知り尽くすことでは地元でも屈指といわれるご主人がガイド役として参加。太田夫妻によるガイドで雪深い大山の森へと繰り出していきました。


まず最初の感動は、
木立をキャンバスに描き出す雪のアート


まずは大山国際スキー場の高速リフト「センター4」でスキー場で一番標高の高い場所へ。そこから尾根に沿って森の中を歩き、宝珠山から元谷、そして大神山神社奥宮を通る前回とは比べものにならないハードなコースを歩きます。

それだけに手つかずの自然が数多く残る風景は、一つ一つが感動の連続。
急な坂を一歩一歩、雪の感触を確かめつつ駆け上がっていくと徐々に視界が狭くなり気が付けば木々に囲まれる深い森の中へ。
これがまず参加者の歓声を誘います。


前日の吹雪でできた霧氷(むひょう)、樹氷による木立のアート、雪の華は参加者を別世界の時間へ。
その場所に身を置く現実を少しづつ受け入れることでみなさんの感動はさらに増していくことに・・・。
いや〜少しばかりの霧、そして青空の名脇役がさらなるインパクトを与え、それはもう美しかった。


ガイドの言葉に隠された意味
「自然」すべてにはサイクルがあり、存在する意味があること


この日も雪の森では様々な出逢いがありました。
先にも紹介した霧氷、また動物たちの足跡に、冬を生き抜く木々たちetc.
こうした自然の営みについて太田ガイドが詳しく、そしてわかりやすく私たちに語りかけてくれます。

自然の美しさ。
自然の素晴らしさ。
自然の脆さ。
自然の怖さ。
自然の大切さ。


一つ一つのお話しは、そうした「自然」について私自身が考える必要があるという大いなるメッセージなのかも。
自然をフィールドに活動するプロのガイドだけに、その言葉にはとっても深い意味と重みがあるように感じたのは私だけでしょうか。


こうして太田ガイドのお話に耳を傾けつつ、一行は宝珠山(1122m)を越え、谷を渡り、昼食のポイントでもある「元谷」付近へ。
そこでは雪の中、体の芯まで温まる“おいし〜〜い”演出が用意されていました。

それが・・・


第二の感動は“おいしい”時間
雪の中で食べるHOTなランチメニュー

そう、雪の中でのHOTなランチメニュー。
持参した鍋で作るアツアツのカニ雑炊を、氷点下の雪の世界でいただきます。

前回は泣く泣く室内で食べることになったこのメニュー。
まずは雪を掘り、仮設のテーブルを作り、そこでコンロに火を付けてはじっくりとカニ雑炊ができあがるのを・・・。
待つこと約10分。
雑炊の入ったマグカップからは食欲をそそる湯気が立ち上り、もう待ちきれず、みんなで“カンパ〜イ!!”。

いや〜、体の奥から解きほぐされるこのおいしさ、あったかさ。
ごく普通の雑炊がこんなにもおいしく感じるなんて・・・。
改めて自然の厳しさで知る食べ物の価値、そしてこうした体験の楽しさを実感。

大変おいしゅうございました。


「白」が際だち、「白」が輝く
青い空が演出する雪の下の第三の感動


お腹も満たされホッと一息していたところで、ちょっとした気候の変化が・・・。
食事中は見えなかった北壁が徐々に姿を現し、また見上げれば雲の隙間から美しい青空が広がり始めています。

もちろんこれまでも幾多の驚きに出逢ってきました。
ただ空の青が目の前の白の世界をさらに際だたせることによって、自分たちが身を置いている場所の素晴らしさ、そして周囲の世界に改めて感動を覚えます。


陽の光で輝く雪、青空に浮かび上がる雪の華、木立の影、そして何と言っても迫り来る北壁。
アルプスを思わせる壮大な山並みには一同、言葉を失いただただその光景を眺めているだけ。

感動するってまさにこういうことなんでしょうね。


これがこの日青空の下で出逢った自然の造形美です。
青空の下に咲く真っ白な雪の華、そして白いキャンバスに描かれる木立の影絵。
運がよければこんなにも貴重で、こんなにも感動的な時間を大山の自然は用意してくれているのです。


雪に埋まる古刹はまるで侵入を拒むかのよう
深い歴史を感じつつ、参道を一歩また一歩


元谷から雪のすべり台を楽しみ、しばしのスリルを味わったら、その後は、大山の歴史を語る上でシンボリックな存在でもある「大神山神社奥宮」へ。

雪に埋まる古社。
まるで侵入を拒むかのように深い雪に閉ざされた社を眺めていると、大山に刻まれてきた由緒正しい歴史の面影、そして心洗われる静寂感に包まれるようなこの感覚。
さすが何百年とこの地の時の移り変わりを見守り続けてきただけの神聖な空気がここだけには流れているようです。

みなさんそれぞれの思いを・・・。
手を合わせていく姿が妙に印象的でした。


山の神様による粋なプレゼント
フィナーレに観た日本を代表する絶景


そしてクライマックス。
大神山神社奥宮の参道をおり、このままゴールへと思いきや、太田ガイドは参道を横にそれ「賽の河原」方面へと向かいます。
そして金門の横の高台へと到着し、振り向いた瞬間。
目の前に広がる絶景。
雄大な北壁が私たちの目の前に飛び込んできます。

「これって今まで観た景色の中で一番美しい」
「昨日、世界の絶景を紹介するテレビ番組があったけど、それに負けてないほど感動的」


これは参加された方の一部の声。
完璧なまでのその雄姿。
最後の最後にこんなにも美しいサプライズが用意されているとは。
山の神様も粋な演出を仕掛けてくれるものです。

こうして約半日にわたる行程が終了。
心地よい疲れ、そして少しばかりの足のハリがこの日のハードなスケジュールを象徴していますが、みなさんにとってこの時間はどうだったのか、気になるところでもありますね。

このツアーは、森林を県民みんなで守り育てるための「鳥取県森林環境保全税」の支援を受けて実施
このことがきっかけとなり、参加されたみなさん、またこのページを見られたみなさんには、大山の自然についてもう一度再確認してほしい、そう痛切に感じています。


あなたがココに存在した証し
アルバムをめくった時、フッと笑顔になる一枚を


最後にカメラマンとして同行したスタッフが感じたことを。

非日常のステージのなか、様々な自然との出逢いを記念撮影。
これは旅の思い出作りにとって欠かせないファクターです。

自宅へと帰り、この時間を振り返った時、気が付けばフッと笑っていることって・・・。
とっても素晴らしいって思いません?

楽しかったですか?
思い出に残りましたか?
リアルな自然を体感できましたか?

大山を通して、地球の素晴らしさ、自然の偉大さ、人間としての生き方、ちょっと大げさかもしれませんが、みなさんにはそんなことを少しでも感じてもらえればと思っています。

鳥取県って実はすごく素晴らしい場所なんです。
大山って実は日本でも有数の神秘の森が残っているステージなんです。
私たちはそうしたことを一つでも多くプロデュースできるようこれからも様々なプランを提案していきたいと思ってます。

参加されたみなさん、本当におつかれさまでした。
そしてありがとうございました。

またお会いできる日まで・・・。


2009年02月22日


強風のため進路変更 
目指すは樹齢約500年 霊峰に立つブナの巨木

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