まずはこの一枚の写真を。
植田正治写真美術館前で、大山をバックに、楽しいそうに山のポーズをとる三人の若者。
足元よ〜く見ると水たまりに逆さ大山も写っていて・・・。
ホント楽しそうな旅の記念写真となりましたが・・・。
今回大切なのはこの写真に至るまでの経緯。
スタッフがエコツーリズムを通して学んだきてことをある意味実践できた一つの成果でもあり、今後のこの地域がこうあるべき姿の一例としてご案内させていただきます。
下記、その場面、会話の全容です。
ご覧ください。
植田正治写真美術館の駐車場の前でデジカメ片手に撮影会をする三人。
それを見たスタッフが彼らにかけより・・・。スタッフ 「こんにちは」
三人 「こんにちは」
スタッフ 「今、大山撮影してた? ならもっとキレイ場所で撮影したくない?」
三人 「したいです〜〜^^」
スタッフ 「じゃあ、こっちに来て」
※三人を駐車場の前から水たまりのある写真のポイントへと移動。
スタッフ 「ここだよ」
三人 「・・・」
スタッフ 「今、“これってさっきの場所と景色変わんないじゃん”って思ったでしょ?」
三人 「すいません。正直そう思いました」
スタッフ 「今のままならさっきの場所と同じだよ。
じゃあね〜、そのまま大山の方に向いて、ゆっくりしゃがみこんでみて」
ゆっくりその場に座りこむ三人。三人 「あっ、す、すごい〜〜〜〜。
水たまりに大山が写ってる〜〜〜。キレイ〜〜〜〜」
スタッフ 「水たまりで逆さ大山だよ。 (誇らしげに)すごいでしょう^^ 」
スタッフ 「立ったままでは水たまりにこんな景色写ってないからね〜。
少し位置や見方を変えるだけでこんなスゴイ景色を観れるんだよ。
たとえ水たまりでもね(笑)。ぜひみんなにも教えてあげて」
三人 「はい。そうします。
でもホント美しい。水たまりでまさかこんな風景に会えるなんて・・・。
この一年で見た景色で一番キレイかも〜〜。
実は今日、友達が松江や出雲から遊びに来てて、遠くから大山見てたらキレイだったので、それなら行こうかってことになって・・・。
この場所で写真撮影してたんです。そしたら偶然お声をかけてもらったので・・・。
お会いできてホントよかったです。
出逢わなければこんな風景を見逃してたところですから」
スタッフ 「ありがとう。僕もうれしいです。
じゃあこの場所で記念撮影しよっか。ハイ、撮るよ〜(カシャッ)」
と、撮影された写真が上記の画像です。
2年前、エコツーリズムのツアーガイド養成講座に参加し、こうした教えを受けました。
またインタープリターでもあるセレンの林さん、先のスノーシューのガイドでもお世話になった太田さん夫妻などのガイドを見て、数多くのことを学びました。
・地元をPRするならば、地域を愛し、その土地の知識、情報をしっかりと頭につめこむこと。
・そしてその知識を、押し売りするのではなく、ちょっとした演出をプラスし、みなさんに考えながら行動してもらうこと、五感で感じてもらうこと。
・地域の自然や歴史がとっても大切で、保全・活用していくことに大きな意味があることを伝えること。
そうしたことがとても大切だと個人的には感じていますが、どうでしょう。
はっきりと言えるのは、
この日最後にみせた三人の笑顔は、
本人たちだけではなく、説明・案内したスタッフをも幸せにしてくれたってこと。
地元をガイドし、その案内によってこれだけ自分達の暮らす地域に感動してくれるって・・・。案内した側にとっても非常に貴重で、誇らしい時間でした。
ツアーだけがエコツーリズムじゃありません。
重要なのは、こうした思いを持ち、どんな状況であれお客さんを喜ばせてあげることができる知識・情報・スキルを持ち合わせた人材を育成すること。
たまたま今回はうまくいきましたが、そういう意味でいうとスタッフのスキルもまだまだ(思いだけは常にあるのですが・・・)。
ぜひこうしたちょっとしたことを、地域に住むみなさんそれぞれが持ち、訪れるみなさんに少しの幸せを届けてあげる“気持ち”だけは備わってほしいですね。
素晴らしい自然と文化のなかで暮らす私達。
そうしたことを伝えていくってことは、単に観光客を幸せにするだけでなく、地元に住む我々にとっても大切な時間で、地域を知ろう、守ろうとする日常的な意識づけにつながりますから・・・。
がんばりましょう〜〜〜〜。
山陰・大山バンザ〜〜〜イ。