[レポート] 大山王国特別企画
「大山ブナの樹林に遊ぶスノーシューツアー」 1月31日
自然の生命、まだ知らぬ世界を感じる旅
普段見ることのできない雪原の森へ
当日の朝。
気が付けば家をも揺らす強風と冷たい雨。
まるで山の神が侵入を拒むかのような悪天候で実施が危ぶまれましたが、何とか決行。
王国企画による
「大山ブナの樹林に遊ぶスノーシューツアー」の第1回目が予定通り行われました。
当日はキャンセル者も出るなかスタッフ含め18名が参加。
定員20名の予約がリリースとともにすぐに満員となるなど、このツアーへの関心が高いことを伺わせますが、集合場所となる「大山情報館」には、どんな風景に出逢えるのか、そんな期待に胸を膨らませる参加者が今か今かとその出発を待ち望んでいます。
驚いたのは、若い女性の参加が多かったこと。
そしてその方達のほとんどがスノーシュー初体験であるということ。
やはり見たことのない大山の自然へアプローチできるという時間は、年齢性別問わず魅力的なものであるということを実感させられました。
今回のガイド役は、太田さん。
女性ながらも山の経験は長く、ご主人とともに山の自然、歴史、生物を知り尽くすというベテランガイド。
地元では有名なガイドの一人でもいらっしゃいます。
ただ残念なことに、本来の目的である宝珠山から元谷かけてのコースが強風のためアプローチできず、コース変更を余儀なくされたこと。
急遽、大山の奥深くに眠るブナの巨木へ会いに行くツアーへと進路変更し、簡単なレクチャー後、ホテル大山を出発。いざ森の中へと歩き出しました。
ゲレンデの横の細道を進み、徐々に森の奥へ。
雪深く木々が密集した場所だけにスキーヤーや一般の方が入れず、徐々に静かで神秘的な森の世界へと足を踏み入れた、そんな雰囲気が増してきます。
その途中、大山の歴史や自然、木々の不思議などについて太田ガイドより説明があり、普段何げなく見ている木や花、草、大地それぞれにもいろんなストーリーがあることを再確認。
その一つ一つのお話しがまさに“へぇ〜”の連続でもあるのです。
そして・・・。
参加者はさらに森の奥深くへ・・・。
目指す目標まであとわずか。
道なき道に自らの足跡をつけつつ、登りきったその先で見たものは・・・。
じっとその場に佇み、静かなる時を・・・。
幹周り5m、樹齢約500年 霊峰に立つ「大山の守り神」 歩くこと1時間。
太田ガイドがふと立ち止まり、見上げた目線の先にあるもの。
こんな場所にこんな巨木があったなんて・・・。
言葉を失うほどの幹周りを誇るブナの木が私たちの前に立ちはだかります。
大山のシンボル。
驚くべき生命力を誇るブナの木から放たれるパワーはやがて水となり、多くの生命の源となり、大山に大いなる恵みを。
そんな言葉の意味を証明するかのようなこの巨木に、参加者はただただ圧倒されるばかり。
木を眺めていると所々に不思議なほど大きなこぶを発見。
これは木を守るため、自らで修復してきた証し。
その生命力たるや・・・。
そのパワー、オーラを直接感じようとみなさん木にふれている姿が何とも印象的でした。
その後は、TOPの写真にもあるようにみんなで記念撮影。
きっと忘れられない時間になったことでしょう。
行きはよいよい、帰りは・・・
いやいや帰りにこそ待つ“楽しい”時間そして帰り道。
坂を下る帰り道には、みなさんをついつい子供にさせる自然のアトラクションが待ちかまえています。
それが
「雪の滑り台」。
ご覧のような急な坂を一気に滑り下りるスリルと興奮。
これが一度経験するとホントくせになってしまうんです。
危険なように見えますが柔らかい雪がクッションになってくれるので全然痛くない。
みなさんのこの楽しそうな表情がそのことをしっかりと証明してくれてようにも思えますね。
こうして帰りの道中に待つ様々なサプライズを楽しみつつ、無事ゴールとなるホテル大山へ到着。
後は、本来雪の中でとるはずだった昼食のためホテル内の食堂へ移動し、ちょっと不本意なランチタイムへ。
一杯のカニ雑炊
ホントは雪の中で食べたかった・・・天候不順のため、雪の中でのランチタイムとはいかず・・・。
こうして室内でバーベキューコンロを使い、カニ雑炊を作り、みなさんでいただくことになってしまいました。
残念。
ただ、楽しかったスノーシューの時間を振り返りつつ仲間とともに囲む食事では、みなさんご覧の通りの満面の笑顔・・・。
不本意な内容に少々心配していたスタッフも、みなさんのこの笑顔にホントに救われた感じです。
一杯のカニ雑炊。
私たちにとっては、体だけでなく、心までもあっためてくれたそんな貴重なアイテムに。
ただそれもこれも悪天候ながらも普段感じることのできない大山の雪景色を歩くという時間があったからこそ。
みなさんの心に残る、思い出深い経験であったことを願ってなりません。
参加していただいたみなさんにはホントに感謝、感謝。
今回の経験が忘れられない思い出となり、また次なる機会でお会いできることを楽しみにしています。
次回こそきっと・・・。
晴れますように・・・。
最後に・・・、
大山王国 石村理事長からもあったこんなお話を。
その昔、明治の頃まで大山は“神の山”と崇められ、僧兵以外この山に入るものはほとんどいなかったそうです。
だからこそ、今でもこうして自然が守られ、全国でも指折りのブナの原生林が残る場所として存在しているとも。
大山の森。
今となっては誰もが入ることのできる自然公園でありながら、その一方ではこうしてスノーシューで森の奥深く入らなければ知りえない、たくさんの偉大なる自然が息づいている事実。
そうした貴重な場所だけに足元や頭上、また目線の先に見えるちょっとした自然の風景はまさに感動の連続でもあります。
スノーシューが気づかせてくれるのは、まだまだ人間が知らない森の命の営み、歴史の重み、そして自然の大切さ。
何千年と時を重ねてきた大山に、今こうして逢えること。
時のロマンを感じつつ、今も宿っている森の生命の声をしっかりと受け止めておきたいですね。
実は、今回のこのイベント。
森林を県民みんなで守り育てるための「森林環境保全税」により実施。
大山がいつまでも美しい大山であるために。
こうした経験を通して、少しでも多くの方にその偉大なる姿を伝えていきたいと私たちは真剣に考えています。
ご参加いただいたみなさん。
ありがとうございました。
そしてお疲れさまでした。