大山・山陰絵日記 「地域の伝統」 4月15日 


地域とともに歩んだ歴史・磨いた技術
職人・匠の技こそ、守るべきニッポンの伝統


出生率の低下、高齢化により日本の将来が不安視されています。
これは地方にいけばいくほどに現実的で、このままでは・・・。
そんな声も聞こえてきそうですが、この状況は伝統文化の継承においても同じ。
後継者不在により、その存続が非常に危ぶまれているのです。

ただご存知のようにこの山陰という地域には素晴らしい伝統芸、お祭りが存在します。
こちら鳥取県倉吉市で受け継がれてきた「はこた人形」も同様で、現在80歳近くになる三好さんは、今も変わらず現役で、人形一体一体に筆を入れ、命を吹き込む日々。
ただこの素晴らしい匠の技でさえ、三好さん一代かぎりでその伝統の灯が消されようとしているのです。

「ま〜、若い人にはこの仕事は向かんわ」三好さんは笑って話しますが、奥さんとの二人三脚で作り上げた作品の美しさ、温かさは郷土の誇り。
「いいもの」という評価はあっても、その魅力に惚れ、「創りたい」そう思う人材はなかなか登場してこないという状況はかなり深刻です。

地位や名誉。
こういった方々こそがもっと地元のバックアップを受け、クローズアップされ、そして伝えていくためのサポートを、地域そのものがしっかりとしていかなければならないと私達は感じています。

倉吉の伝統がいつまでも形あるものであるために・・・
これは倉吉だけでなく、山陰全体のこととして、各個人が、行政がぜひ考えてほしい問題です。



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