大山・山陰絵日記 「幸せな食卓」 7月25日


山里の静かな山小屋にて。
囲炉裏を囲みながらの贅沢な食事は、自分が日本人であることをほんの少しだけ誇らしく思う瞬間でもあります。

炭火で焼かれるのはすぐそばを流れる日野川の鮎。
徐々に焼き目がつき、香ばしい匂いが漂い始めればいよいよ食べ頃。串に刺し、ただ「焼く」だけというシンプルな調理法で食べるのは、これが一番おいしい食べ方だと自信をもって言い切る主人のこだわり。
ホクホクとした肉厚の身を頬張れば、川魚本来の淡白な味わい、噛むほどに広がる白身独特の滋味についついえびす顔・・・、となってしまうことでしょう。

この地に住んで、またこの地に訪れてよかった。
きっと胃袋はそう思うはず。
そして急かされつつある現代の時間の流れから開放されたゆとり空間では、何も考えず、ただボォ〜と周囲の景色を眺め、小鳥達のさえずりを聞くことがいかに贅沢であるかを実感できるはず。

幸せな時間は、実はこんな山里にひっそりと存在しているのです。


撮影協力 : 椿庵 (伯耆町福岡)


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