大山・山陰絵日記 「伯耆町は本気です」 7月22日


大山の大地はオレたちの宝 
「日本の農業はわが町が守る」


何だか熱いメッセージで始まりましたが、今、日本の農業、漁業といった第一次産業が本当の危機を迎えています。

食糧難と言いながら、地元では減反している現実。
また漁業の問題では原油高ばかりがクローズアップされ、その根底にある「魚が獲れない」危機を忘れてしまっている現実。
今、日本がこの問題に真剣に取り組まなければいけないことを、そのことを身近に感じることができる私達地方に住む人間が、まずは声をあげていかなければならないのでしょうね。

で、そのことを理解しつつ、上の写真をご覧ください。
まずは、おいしそうなバーベキューから。

カボチャ、トウモロコシ、ピーマン、白ナス、そして希少な伯耆和牛などの新鮮素材。
鳥取県地域づくりセンター主催のセミナー「農山村の行方・元気再生への道 〜元気な集落(むら)・廃れる集落(むら)〜」後、農業の未来を本気で心配する人々が集まった懇親会での一コマなのですが、用意された食材はすべて地元産。これ以外にも、大山Gビール、日本酒の「八郷」、サラダで並ぶトマト、キュウリ、そして地元のお母さんが丁寧に作り上げた「しいたけポン酢」etc. ぜ〜んぶが地元で獲れたものばかり。

素晴らしいと思いませんか?
そしてこれは贔屓目に話すわけでもなく、どの食材も本当においしい。
甘みがあって、素材感があって、肉に限っては脂がのっている割にしつこくなく、でも驚くほどに柔らかい。
こんな食材が、ご近所の婆ちゃん・爺ちゃんから「いっぱいあるから持って帰れ〜」ってお裾わけされたり、「ちょっと待っとけ、用意してやるけん」と普段販売されていないものを安価で購入させてくれたり、とにかく手軽に手に入るわけです。

でもそんな農家の方々が口をそろえるのは「もう、しんどいわ」、「やっていけん」という寂しげな言葉。
自分の作る素材に誇りを持ちつつも、目の前にある問題に押しつぶされそうになっている現実。

で、伯耆町民は考えました。
そして立ち上がります。
地元の農家のことを本当に考えた取り組みを。
日本の農業の未来を切り開くかもしれないプロジェクトを。

下の写真、たくさんのベビーリーフこそ、「大山・黒ぼく農園」を地元で運営NPOを立ち上げてまで農業を本気で考えるある方が無農薬で育てた素材。
この方も含め、地元の農業を、日本の農業の未来を真剣に考えた人たちが今、動き始めたのです。
この食材一つとってみてもとにかく毎日が草引きとチョウチョとの戦いだそう。
ただ出来上がった食材は生で食べるとその実力がはっきりとわかります。
チンゲンサイ、二十日大根、カブなどは、そのままマヨネーズ、塩をつけてパクッ。本当に瑞々しく、雑身がなく、甘くて美味しいんです。

この味を守りたい。
いつもまでもこのお爺ちゃん、お婆ちゃん、そしてその後を継ぐお父さん、お母さん、さらにその子供達が自分達の仕事を誇りと思えるように。
町は本気で立ち上がるそうです。

今、国産の食材が日本中で見直されています。
確かにこうして自然の中で育まれる素材を食べれば日本の誇り、日本の風土の素晴らしさを改めて実感できます。

農家の火を消さないために。
伯耆町だけでなく、お隣り南部町や大山町にもこうした熱い気持ちを持って取り組まれている方々がいるわけで、ぜひそんな方たちから、次の時代を担う若者たちが何かを学べる場をもっともっと作ってほしいですね。

がんばれ伯耆町〜、がんばれ鳥取県〜、がんばれ山陰〜〜!


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