夕日に向かって・・・
空からふと水面へと目をやると、“錦海”の名の通り、海が黄金色に染まっています。夕日から延びるように敷かれた真っ赤な帯に向かって舟を走らせる時間、これはまさにレッドカーペットを歩くハリウッドスターのよう。そして陽が傾くにつれ、空は暗くなる反面、水面や夕日はさらに赤く、いや黄金色に輝きを増していく様子に・・・。言葉を失います。
これが第三の感動です。
そしてクライマックス。

夕日の歓迎を受け、さらに赤い絨毯を進んでいくとついに落日のとき。
まん丸のフォルムがゆっくりと崩れはじめ、半分がかけ、そして全部が消え去ったとき、このドラマのフィナーレを迎えます。
何だろう、この胸からこみ上げてくるものは・・・。
ということでこれが第四の感動。
振り向けばそこに・・・
さぁ、あとは帰るだけ。
気持ちを切り替え振り向いた瞬間、そこには第五の感動が待ち構えています。
それが夕暮れ、霧に浮かぶかのように薄っすらとその雄姿を披露する日本の名峰・大山。
乗船したこの日はあまり美しくはありませんでしたが、時には山頂が赤く染まる神秘的な大山にも出逢えるとか。
そんなことも期待しつつ、また今度、夕日との再会を楽しみたいですね。

行きは夕日しか目に入らなかった周囲の景観も、帰り道ではとっても新鮮に感じられ、船頭さんのガイドもあり、自然豊かな山陰ならではの素晴らしさを再確認。
萱島付近にある水鳥たちの住処、
夕空を照らす灯台、加茂川にかかる橋に立ったレトロなガス燈などなど、
すべてがドラマの名脇役に。
ともあれ、
舟の上の特等席で眺める中海の夕日、そして海から眺める様々な景観こそ、“百聞は一見にしかず”。
あなたの目と心に、しっかりとその風景を焼き付けてほしいものです。